☆ なんちゃら かんちゃら ☆ 306756

▲TOP あのー, ココって,どんな掲示板なんですかぁ?
ココをつくった私 (飯山一郎) にも サパーリ 分かりません.
どんな掲示板にするか?  それは,あなたが決めてくださいな.
なんちゃら かんちゃら 好きな事を書けばE~んじゃないですかぁ  (^_^;

飯山一郎の古代史  北朝鮮の写真 ビビンバ!北朝鮮! 金王朝の深い謎  『放知技』へ


なんちゃら かんちゃら笑劇場

1:文一興 :

2015/03/19 (Thu) 01:06:48

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日本がすっかり壊れて十数年。詐欺師小泉、漫画脳麻生、卑怯者菅、おかまな野田、売国カルト安倍と続いてしまいました。権力は腐敗するのではなくて、最初から腐敗した連中が権力の座についてしまったとの感想は小生だけではないでしょう。ここで止まりそうにないところが恐ろしいではありませんか。彼等が首相となってしまったことで、実質的に憲法は書きかえられてしまったとしみじみ思います。
以下、「新憲法 序文」別名「新植民地時代を奴隷として生き延びるための宣言」です。


 日本国民は、 選挙システム「ムサシ」によって選挙された国会における代表者に服従し、われらとわれらの子孫のために、宗主国の富の収奪による貧困と諸国民との軋轢による不和と、わが国全土にわたつて原発事故のもたらす惨禍を甘受し、政府の無謬の政策に従うことを決意し、ここに主権が国民に無いことを確認し、この憲法を確定する。
そもそも国政は、宗主国により選ばれし下僕のものであって、その権威は宗主国に由来し、その権力は宗主国の下僕がこれを行使し、その惨禍は国民がこれに忍従する。これはわが国永遠の原則であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。文句あるか。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅、思想、行動を排除する。
 日本国民は、戦後の平和の貴さに倦み飽きて、人間相互の不信が支配する世界を選んだのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に背いて、われらだけの安全と生存を保持し、宗主国の為に戦うことを決意した。われらは、戦争を継続し、圧制と隷従、略奪と憎悪を地上に遍く広めるべく日夜努力している宗主国の下において、栄誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民を、ひとしく恐怖と欠乏に陥れ、自らも隷属の下の自由を手に入れたことを確認する。
 われらは、いづれの国家よりも、宗主国の意向を忖度し、かの国と自国のことのみに専念して他国を無視しするのであって、属国道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を放棄し、宗主国に財も身も奉公し続ける属国の責務であると信じる。
 日本国民は、屈辱的な現実を認めず、国家の主導によるこの愚劣な現実と宗主国の犯罪的な目的に、全力をあげて盲従することをここに誓ふ。

飯山氏の、「好きな事を書けばEんじゃないですか」のお言葉に甘えて、「なんちゃら かんちゃら笑劇場」開設です。
替え歌やコント、狂歌、川柳に著作権などという野暮はいいません。転載自由です。こっちの言葉に代えた方が面白いといった改変して遊ぶのも大いに結構です。
24:文一興 :

2017/04/17 (Mon) 13:51:42

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第12回「羽毛田教授は迷走中」
「そこでな、羽毛田はん、何かいい案無いやろか」
腕組みをして考えようとした。目に浮かぶのは小学生の健康診断よろしく教官たちが相談室に並ぶ図だ。
これが目標だと思うと気持ちは複雑だ。
「今は行動のときや、ここ一番羽毛田はんに協力してもらいたいと思うてな」
 この申し出にちょっと身構えた。一肌ぬぐのはやぶさかではないが、話の流れが見えてこない。
羽毛田はん羽毛田はんと何度も言われたときに、何か良いことがあったためしがない。
行動するというが、何をしようというのだろうか。
ただ、学生時代からのつきあいだ。協力しないとは言にくい。
「今は変革のときや。この点はみんなわかってくれてると思う」
確かにそのとおり。他大学も生き残りに力を尽くしてる。
院と学部の垣根を取り除いたり、学部や学科の名称をかえてイメージを上げようとしたりと。
後れを取れば評価は下がり続けるしかない。
「ここは羽毛田はんの出番やと思うんや。工学部のたて直しのためにな」
性というのであろうか、小生この「出番」の一語を聞くとつい膝が前に進んでしまうのだ。
工学部のためといわれると殺し文句に近いものがある。彼の表情には一瞬笑みが浮かんだようだった。
「説得よりも雰囲気や。『みんなも行ってますよ』という流れ作りが大切だと思うんや」
小生、これには納得するところがある。
「相談するのが、
『あ、なんだそういうことか。どうってことないね。じゃ行こうか』
と抵抗感なく相談室に通ってもらえるようにしたいわけや」
「『今日はカウンセリング日和だね』なんて会話が聞きいたいということだ」
「それや!羽毛田はん。上手いこと言うてくれた。我が大学のために今が一肌脱ぐ機会や」
「それでぼくにどうしろと」
はずみで口が滑ってしまった。
「手本を同輩後輩に見せてもらいたいんや」
「手本というと」
「率先垂範や」
「それって『ぼく、カウンセリング受けてます』って高らかに宣言しろってことかいな」
声が上ずってしまった。白羽の矢が飛んできたのだ。
「さすが羽毛田はん、察しが早い」
すっかり同僚の表情がほころんだ。小生が明日にでもカウンセラーの門を叩くと思ったようだ。
喜んでくれたのは小生もうれしいが、それはちょっと困る。
受けいれた訳ではないが、協力は惜しまない。我々はもう若くはない。裏方に回って後進にチャンスを譲ろう。
こう言うと、簿毛津教授は気落ちした。
しかし、小生も彼の同僚である。見捨てることができようか。
ささった白羽の矢をぬいたところで、小生は例のポスターの一件を話した。
「よし、それできまりや羽毛田はん」
察しの良い同僚であった。小生力強くこたえた。
「行くぜ、カウンセリング!」
簿毛津教授はポンと膝をたたくと、
「行くで、カウンセリング!」
満面の笑みであった。
「そや、『明日はカウンセリングにうってっけの日だね』これも足しとこう」
ご機嫌であった。
かくして工学部の研究室や廊下に「行くぜ、カウンセリング」のポスターが貼られることとなった。
「明日はカウンセリングにうってっけの日だね」も作られたのは言うまでもないことであった。

続く


23:文一興:

2017/04/08 (Sat) 11:58:06

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第11回「羽毛田教授は迷走中」

対策としては内には説得、外には広報が必要だろう。
「みんなが気楽にカウンセリングにかかれるようにひと工夫が必要や。
そこで研究室の若い者にアイデアをださせたんやけど、これが時間の無駄やった」
若い者も気の毒だ。これこそお門違いだろう。
「お手軽で、つい馴染みの言葉をつこうてしまうんや。
<只今リセット中><自己診断センセー稼動中><自己修復中>
これやと不具合とか壊れてるって白状してんのと同じや」
にがりきった表情が目に浮かぶ。
「禁句にすると、<カウンセリング、みんなで受ければこわくない>とか、
<党議拘束を見習って学部拘束をかけてしまえ>とか。古臭くさいのばっかりや」
焦る気持ちもわかるではないか。八方塞がりになりつつあるのだ。
「カウンセリングを受けるっちゅうことは、我々工学部が正常な判断を保つために
いつも努力をしてるってアピールになるやろ。
ここんところがまだ若い連中には理解の及ばんところなんよ」
 小生も若い連中の一人だろうか。首をひねってしまった。
「それにな、今日びの若いのは保守的やで。『教授、世間体が悪いでしょ』と平然と言いよった」
それは信じられないと、小生眉間に皺をよせて賛意を示した。
しかし簿毛津教授からみれば保守的でない方が珍しい。
「情けないことや。『わしらは科学者や。科学者ともあろうものが世間体を気にするなんて、
学者の風上にも置けん』ってな、ガツンというてやったがな」
さすが簿毛津教授である。
もっとも「世間体」を「迷信」と置きかえたら効き目があったかもしれない。
学者も人の子である。家にあっては夫で父親、電車の中では一般人である。
抵抗感から脱けだすのは並大抵ではないだろう。
カウンセリングを受ける。どこかに問題がある。内科でも外科でもない。
あそこに問題がある。それは問題だ。
思考はこのような回路をぐるぐる巡るのだ。
残念ながら我が国では「問題があるのは当たり前だ」とはなっていない。
何が何でも正常であるべきなのである。これは随分と疲れる。
妻帯者の家庭では、小生の家庭のはなしでないことをことわっておくが、
カウンセリングに理解の及ばない家人もいるだろう。
そういった家では「カウンセリングなんて横文字で誤魔化して。精神科でしょ。世間体が悪いわね」
といった会話がおそらく、きっと、まず間違いなく、交わされているはずである。
安らぎをもたらしてくれるはずの家庭でさえこうなるのだ。
工学部の諸兄は身動きのできない状況に置かれているはずだ。必要なのは現状打破だ。

続く
22:文一興:

2017/04/02 (Sun) 09:03:42

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第10回「羽毛田教授は迷走中」

 「お知恵拝借や、羽毛田はん」
 と言って研究室に力なく入ってきたのは簿毛津教授である。
顔を見ると広いおでこに絆創膏がもう一つ増えている。
「今日は4月1日や、エイプリルフールやけどボケはやめといて」
彼は鞄からマイカップを取り出した。前のものより大きなサイズにエスプレッソを一滴のこらずいれてしまった。
小生の目の前でがぶ飲みである。随分とお疲れのようであった。
「これで一息つけたわ」
彼流の挨拶がすむと、
「世ん中ままならんもんやなあ」
「誤解されとんのかもしれへんな」
「みんなのためをおもての提案やのに」
ぼやくこと三連発。
 今度ばかりは賛同をえられないのであろうか。
学部を思う気持ちは人後に落ちない簿毛津教授。彼が心を配るのは同僚だけではない。
後輩や研究生のためにも骨みを惜しんだことはない。なのに非協力的。辛いところである。
 「何か妙案はないやろか、羽毛田はん」
 弱音をもらすとは珍しい。小生、ゆっくり腕組みをした。案はないことはない。
しかし、ポスターの件は妙案とは言い難い。
「みんなしり込みしよる。今のところ一人だけや、行くって納得したのは」
勇気のある者だ。見ならいたいくらいだ。
「松元くんがな、『僕、カウンセラー・トロイをさがす旅に出ます』いうてくれた」
やはり若手だ、素直だ。と思いつつも、不明なところがある。
カウンセラー・トロイとは一体何者だ。
「なんや羽毛田はん、知らんのかいな。
松元くんはトレッキーなんや。航空宇宙工学科には多いで」
ますますわからなくなった。
「トロツキーやない、ディアナ=トロイいうてスタートレックに出てくるベタゾイド人の美人カウンセラーや」
美人カウンセラーはわかるが、ベタゾイド人は初耳だ。
「わからへんか。カーク船長や、ミスタースポックやがな」
「宇宙大作戦!」

中略

このさい動機は問うまい。
トロイを探す松元くんのスバヤイ反応。独り身の研究者は身軽でうらやましい。
テレビ出演で常識外れを披露したようだが、研究ばかりでは世問知らずになるのも無理はない。
妻帯でもすれば角もとれて丸くなり、そのうちすり減るだろう。
「羽毛田はんやから言うけどな、どうもみんな状況を軽く見ている。
役目がら外との付きあいが多いからヒシヒシと伝わるで。
初対面やと名刺を交換するやろ。そのときや、『あ、例の』とか『あ、なる程』とかの視線を感じるんや。
羽毛田はどうや」
どうと問われても辛いところで、小生無言で二度深く首肯いた。
話せば怒りと惨めさが甦ってくるのだった。
「前の総長の言うとおりで、昨今の状況は厳しいもんがある。この認識を共有できてないのがはがゆいところや」
賛意を得るよりも、抵抗感を無くす方が先決のようだった。

続く
21:文一興 :

2017/03/17 (Fri) 14:39:17

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第9回「羽毛田教授は迷走中」

〈東北新幹線、東京ー新青森開業一周年。ぼくらは、まっすぐ、つながっている。〉
16枚一組のこのポスタ―、大量に刷られたのは間違いない。その物量が見る人たちに多大な影響を与えたはずである。
だが、欲深くもそれだけでは物足りなかったようだ。
小生は遭遇してしまったのだ。
ある朝のこと、いつものように電車が山手線のホームに滑るようにはいってきた。
いつもと違ったのは車両だった。
先頭車両の前面に〈行くぜ、東北。〉のステッカー。側面にもびっしりとポスター。
山手線の車両は祭の山車のごとき派手さであった。
世にこれをアドトレインと呼ぶらしい。
電車がお迎えに来たのである。
車内は広告で、〈行くぜ、東北。〉一色であった。
中吊りの空間はもちろん座席の上の壁面、扉横の壁もすきまなくびっしりと。
「見るんだ。〈行くぜ、東北。〉のポスター。」
まるで脅されているようだった。
乗りこんだのはいいがだんだんと息苦しくなってきた。
情けないことに途中で下車してひと休み。
しかし、次の電車もまたアドトレイン。
ふと思った。この電車にのってしまったら目的地で降りられるのだろうか。
違った駅で下りたり、乗りこしたりした人もいるのではないか。
下りられなくて乗ったままの人もいてもおかしくはない。
 しかし不思議なものである。
通勤のための山手線。連日朝晩乗っていると最初うけた違和感が、ものの見事に薄らいでいく。
慣れの恐ろしさとはこのことかと思った。
電車に乗ると時おりアドトレインに乗っているような気になってしまう。これは後遺症なのであろうか。

 特に印象に残ったポスターはIWATE版の一枚だ。
帽子をかぶりコートを着た人物のシルエットの一枚。
宮沢賢治と思しき人物の姿がストップモーションで、スッ、スッ、スッと三つ、歩いているかのようにとらえられていた。
賢治ファンにはたまらない。このポスターにはこうあった。
〈何ニモマケズ、進んで行こう。〉
 この決意。もう負けてしまいそうである。
次にYAMAGATA版だ。最上川の川下り。
手に棹を握った船頭が三途の川の渡し守のごとき後ろ姿で、
〈人生、山あり、川あり。〉
と船中の女たちに説いている。
ちょっと待ってくれ、若い身そらだ、渡るにはまだ早すぎる。
 しかし、別のポスターには、
〈今行かなくて、いつ行くんだ。〉
 とあった。決断が迫られているのだ。
叱られているようでもあるのが少し引っかかる。
 最後のFUKUSHIMA版には、
〈行かなきゃ、なにも、はじまらない。〉
 とあった。おっしゃる通りである。
恐れてはいけない。
尻込みしてはいけないのだ。
鼓舞されてグッとくるではないか。
 もうイっちゃいそうである。
 そして、この一連のポスターの結びはこうだった。
〈来たぜ、東北。スタンプキャンペーン。〉
〈行くぜ、東北。〉と呼んで〈来たぜ、東北。〉できっちりと応える。
なる程と深く納得してしまうのであった。
ただ東北全県訪れるスタンプラリーに参加しても、貰えるものが缶バッヂとはいかがなものか。
もっと補償を厚くして頂きたいと思うのは小生だけだろうか。

 今も続いている〈行くぜ、東北。〉キャンペーン。
日々の通勤のたびにジワリジワリと効いてくる。
脳細胞のどこがどう突つかれたのか分からぬが、その気になってしまったのである。
〈行かなきゃ、東北。〉
まことにポスターの影響力はすさまじい。ちょっと脳が洗われて麻痺気味だったかもしれないが。
しかし、露骨な真似ではあるが〈行こうぜ、カウンセラー。〉の基になったことは間違いない。

続く

20:文一興 :

2017/03/10 (Fri) 23:46:47

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第8回「羽毛田教授は迷走中」

このように思ったのはある観光ポスターにでくわしたからで、思いがけないところに展望の機会はあるものである。
アイデアのきっかけとなるものはJRの駅構内に貼られたポスターであった。
普段は旅行会社の物が目に付くのだが、それはJR東日本が作成させたものらしかった。
2011年にやっと東京から青森まで全線開通した東北新幹線。
3月l1日のせいで出鼻をしたたかにくじかれて利用客が増えないらしい。
首都圏一帯から観光客を誘致するために練られた作戦だろう。
〈そうだ、京都へ行こう。〉
 間違えた。これはJR東海の方だ。JR東日本はこちらだ。
〈行くぜ、東北。〉
 威勢のいい宣伝文句がおどっていた。
「ぜ」の一語が勇ましい。
どんな困難であろうと来るなら来てみろ。打ちまかしてくれる。
「ぜ」が気概を表し、なんとしてでも東北へ。
その意気込みをひしひしと伝えてくれるではないか。
小生、雄々しくて右肩上がりが好きなのである。
都内の駅はもちろんのこと近県の駅という駅にも貼られていた。
東北へといざなうポスターが、駅の階段の側壁やら通路にペタペタと隙間もなく貼られたのだ。
AOMRI、AKITA、IWATE、MIYAGI、YAMAGATA、FUKUSHIMAの各県ごとに合計十六種類ものポスターが作製されたのだ。
小生、美術関係は門外漢である。
しかし、このポスターには考えさせられた。
久しぶりに思いを巡らせたせいか頭がクラクラッときた。
観光ポスターは、有名な景勝地、古い建物や街並み、その土地ならでは食材を活かした料理の写真で埋められているものだ。これが普通だ。
四季の色彩にもあふれている。情報は満載、楽しさ演出、美味しさ満腹を競って観光客をいざなうのだ。
ところが〈行くぜ、東北。〉はひと味もふた味も違っていた。
その味わいをなんと言い表したらよいのか。
まず滋味は無さそうである。
では、妙味か苦味か渋味か、じっくり見てもどの辺りを狙っているのかよく分からないのだ。
まさか珍味ではあるまいと思うが、その味わいは小生の年を経た舌では感じとることは無理であった。

 各県のポスターは全てコラージュだった。
AOMRI版には大間のマグロに大漁旗とりんご豪快丸かじり。
AKITA版には男鹿のナマハゲと秋田犬。
IWATE版は冷麺、じゃじゃ麺、わんこそばの三大麺。
YAMAGATA版には最上川の川下りと蔵王のスキー。
FUKUSHIMA版には会津のお城と赤べこ。
MIYAGI版には戦国武将の伊達と鳴子こけし。
東北各県を代表するものばかりだ。どれも日本人には馴染みが深い。
だが肝心の人と物の表し方に腑に落ちないところがある。
赤べコもりんごもナマハゲも白黒の濃淡で表されている。
これの意味するところがわからない。
東北から色彩と精彩を奪ってどんな魅力が表せるのだろうか。
普通なら、
口中でとろける大間のマグロ、
病みつきなるぞ盛岡冷麺、
樹氷の森で貴方とスキー、
ぐらいは見るものにアピールするものだ。
そんな誘いの一つも感じさせてくれない。
ほど遠い。生き生きしてないのである。
全部に〈行くぜ、東北。〉の文字が刷られているが、どこか寒々しく他人事のようなのである。


続く
19:文一興 :

2017/03/09 (Thu) 08:59:13

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第7回「羽毛田教授は迷走中」

とりあえずだが、学部長は決断を下したのだ。
問題は教官たちをどう説得するかだ。
ひと工夫もふた工夫も必要だろうが、あまり時間はかけられない。
一筋縄でいくはずがない工学部の諸氏をどの様に扱うか。
お手並み拝見だ。
と、他人事のように述べたが小生も工学部の一員である。
震源地の上でいるのに烈しい揺れから免れるわけがない。
我が官立大学においても工学部を受験する生徒は年々減っているのだ。
高度経済成長の時代には憧れの学部であった。
だが今は見るかげもない。
募集人数の半分にもいかない学科もでて来るありさまだ。
腐っても鯛だなんて居直ってはいられない。
評判を何とかして元に戻さなければならない。復興は無理でも旧には復りたい。
あせる簿毛津教授の気持ちもわかるではないか。
あゝしろこうしろと言うべき立場にはないが、ひと肌脱ぐべきときが来るかもしれない。
その時に打開策の一つもないでは長年の同僚として不甲斐ない。
不甲斐ない奴と思われるのは、小生嫌である。
そこで、ポスターである。
高がポスターであるがその影響力は侮れないものがある。
街を歩けば看板とポスターは嫌でも目に入ってくる。
街中で見ない場所を探す方が難しい。
ビルの外壁、商品売り出し中の店先、バスの車体、車両の内部にまで、隙があれば埋め尽くしてくる。
いちいち気をとられていたのではまともな生活が困難だ。
ところが興味のあるもののポスターだとつい目がいってしまう。
そうなるとなんらかの影響をうけてしまう確率が高くなる。
小生もポスターを見て美術館に足を運んだことがいくどかあるくらいだ。
その影響は見る者の購買意欲をかりたてるだけではない。
およぼすところもいろいろと多様だ。
子犬、小猫のポスターを見れば心が和む。
祭りの神輿や花見のポスターを見ればそれだけで浮かれた気分になる。
化粧品のポスターを見ると使えば綺麗になれると錯覚する。
健康食品のポスターでは食べれば病気にならないと勘違いしたりする。
薬物依存撲滅ポスターを見ては素面でいるよりマシかとふと考えてしまう。
選挙ポスターを見ると交番に貼ってある指名手配にももっと金をかければいいのにとてしまう。
ほんとに副作用は豊富である。
しかしなんにせよ、ポスターで人の心をとらえれば大抵のことはできそうである。

続く
18:文一興 :

2017/02/12 (Sun) 20:50:45

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第6回 羽毛田教授はご傷心

さて、前の総長の「お達し」だが、何かをしろとは書いてない。
なら身をかがめ嵐が過ぎ去るのを待てば良い。
「まずテレビ出演をことわれば」
目立つことをしなければそれだけ風当りも弱まろうというものだ。
「隠忍自重」とはそういうものだと小生は思う。
「それは・・・」と言葉を濁す。
後輩たちがテレビに出ている有様を見て心配にならないのだろうか。
「昨今の状況を鑑みる」の文面からすると前の総長は憂慮しているのだろう。
国難とも言うべき重大事故が続いているときである。
国の行く末なのか、国民なのか、工学部なのか、はたまた自分なのか知るところではないが、心を痛めているのだ。
連日、官立大学の工学部や医学部の教授たちがテレビで大活躍である。
国民へのサービスに努めるためにかりだされた特任やら准やらの教授である。
パニックを起こさせない。無理にでも安心してもらおう。事故を小さく見せよう。
あわよくば早く忘れ去ってもらおう。涙ぐましい奮闘ぶりである。
このような場面がどのテレビでも続いているのだ。公共サービスのお手本であった。
忘れられないメイ場面もいくつか歴史に残ることになった。
ある教授が、
「内部に高圧のかかるお釜には弁があって、制御不能となったらそれを爆破して内圧を下げる仕組みがある」
と言った矢先に、巨大な建屋が木っ端微塵に吹っ飛んでしまったのだ。
「建屋もまるごと吹っ飛ぶ爆破弁ですか」と突っ込みが聞こえて来たのは空耳だったのか。
前の総長もテレビに釘づけだったのだ。
「テレビに出て血迷ったことを口にしたり、常識はずれを披露したりするな」
このあたりが彼の意図するところではなかったろうか。
小生は当たり前のことを繰り返した。
「ただ、素直に自重してればいいだけでしょ」
 こうしろと書いてない限りは何もしない方が良い。
ところが簿毛津教授の考えは違っていた。何かしないと落ち着かない性分なのだ。
「いや、わざわざのお達しやさかい、なんぞ行動に起こさんといかんやろ」
先の総長は歴代の中で「隠忍自重」と最も遠いお方である。
とすれば、そういう解釈の余地もないとは言えない。
ないとは言えないが、このような大事を愛弟子だとはいえ彼に託すのは考えものである。
簿毛津教授は研究者としては大したものである。
しかし、前の総長は適材適所を考えなかったのだろうか、
実生活では正しく理解してズレたことをしでかすのが簿毛津教授の常であった。
「あのな、みんなにカウンセリングを受けてもらおうと考えとるんやけど、羽毛田はんどない思う」
 ニコニコと笑顔で話す同僚であった。
「〈工学部、只今心のメインテナンス中〉いうてアピールするんや。どやろ」
大した危機感だ。小生涙がでそうになった。また垂れ幕か。
「ええわ、グッドアイデアやわ。さすが簿毛津はんや」
 とすかさず答えたのは言うまでもない。学部長の決定だ。
「そやろ、ええアイデアやろ。わかってくれると思うとったで、羽毛田はん。さすが一番弟子や」
ちっともうれしくなかった。

続く

17:文一興 :

2017/01/28 (Sat) 20:58:17

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第5回 羽毛田教授はご傷心

先輩教官の退官後の身のふり方は後輩の誰しも気になるところだ。
それが総長ともなると世間の目も加わって注目の的になる。
歴代の総長の身のふり方が手本となりひとつの作法があったように思える。
非営利組織の財団から請われても、
「少しお休みを頂いて~」とか
「長年連れ添った伴侶との時間を~」
とか鷹揚にかまえるのだ。
ここでガツガツした態度を見せてるのはもっての外である。
責任ある立場から解き放たれた時間を味わったのち、
「まだお役に立てることがあるならば」
とおもむろに腰をあげるのだ。
そして非営利の財団などの理事やら顧問やらに落ち着くのである。
教育関係であれば世間も納得するであろう。これは許容の範囲といえまいか。
天下りと言っては少々酷というものだろう。
ところが先の総長は退官後三ヶ月もしないうちに再就職の席を確保していた。
それも大企業の顧問の地位であった。
企業のホームページに笑顔を見せて得意そうに載っていたのだ。
これは異例であった。このときからだ。
他学部の方から冷ややかな眼差しで見られていると感じだしたのは。
加えて漏れ聞こえてきた中傷、陰口の類い。
「あちらこちらにトンネルを掘るのが上手い」
「素早い身のふり方はコンクリートが固まるより早い」
「どこに回路をつなげばよいかよく知ってるわ」
「倫理感がメルトダウンしてる」と散々であった。
他にも色々あったが言わないでおく。
こんな場面で研究意欲を発揮するとは、品性が知れるというものである。
ここは我慢のしどころであった。相手にあわせてはならない。わが工学部の品位まで疑がわれる。
しかし、最近の若衆は辛抱が足らないようだ。無視すればすむのに応えてしまうのだ。
それも嫌味を真に受けて
「わが工学部はトンネル掘りほ世界一や」
「われわれに回路は必要ない」
「メルトダウンじゃないメルトスルーだ」
などと自慢したり居直ったり大騒ぎであった。
こうなるとあちらも面白がってさらに傷口を広げてやろうとつけあがってくる。
最後には「育ちがわかるわなぁ」
「親の顔が見てみたい」
「お里が知れるとはこのことか」
決っして口にしてはならぬ言葉を言ってしまった。
これにはさすがの小生も頭にきた。
我慢してどうする。許してなるものか。ここで落とし前をつけねば禍根が残る。
一戦かまえるべく決意を促そうと簿毛津教授の研究室に向かった。
立場上加勢はしてくれなくとも、個人で立ち上がれば黙認してくれるだろうと思ったのだ。
しかし小生が入るなり、
「羽毛田はん、行くで、出入りや」
と叫んで迎える簿毛津教授がいた。
腹にサラシを巻いて準備万端ととのえたファッションであった。
そこに自分を見た思いがした。
多くは言うまい。急速に冷めていって冷静になったのだ。
これは止めなければならない。
「官立大学で学部抗争。飛び散る血しぶき」
の見出しが新聞に載らなかったのは彼のおかげであった。

続く


16:文一興 :

2017/01/28 (Sat) 00:58:52

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〈心ある方は、私の代弁者になってほしい。〉

「心ある方」は逃げるよ。→他人を舐めてる。

〈筋の通らぬ、事がぁ嫌いです〉

筋を通すのだったら、個人口座に金を振り込めなど悪筋だろう。


15:文一興 :

2017/01/27 (Fri) 23:27:27

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鉄面皮






14:文一興 :

2017/01/27 (Fri) 19:17:02

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今回は番外です。

刑事事件は、強盗窃盗殺人傷害など

人として犯してはならない罪が対象です。

横領罪は、これに準ずると言うことでしょう。

被害届けを出せば警察検察官のお仕事

判決が下っても、民事裁判が待っている。


ここは人様が自腹を切って運営するサイト


カネ集めをするなどもってのほか


厚顔無恥にして性格破綻
13:文一興 :

2017/01/21 (Sat) 18:15:34

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第4回 羽毛田教授はご傷心

 簿毛津教授は大黒原教授の愛弟子だ。それに学部長でもある。
いろいろとつながりがあるのだろう。
「羽毛田はんにも伝えておこうおもてな、来たわけや。これがそのメッセージや」
 A4の封筒から取り出したのは色紙だった。黒い線がのたくっている。
「やはりこれは危機感のあらわれやで、羽毛田はん」
見せられても部分的にしか読みとれない。黒いのたくりが危機なのだろうか。
先の総長は悪筆だった。
『昨今の日本の状況をつらつら鑑みるに、工学部の諸氏は隠忍自重するべきである』
と書いてあるらしい。解読できる簿毛津教授は重宝な男なのだ。
「このお達し、羽毛田はんはどうみる」
恩師の口からに「隠忍自重」の言葉。重く受け止めるべきである。
と言いたいところだが、全然気にする必要はない。
「隠忍自重」が前の総長を避けているような気がする。
「で、他の諸氏の反応は」
コーヒーを飲もうとして容器に口をつっこんだままモグモグ言っている。
かんばしくは無さそうだ。愛弟子としてしは辛いところだ。慰めの言葉もみつからない。
「学部長は大変だ」
「そんな他人事のようにいうて。何かええアイデアないやろか」
「隠忍自重するべき」というのだからじっとしていればいいだけではないのか。
それなのに何かしないとと考え込む。彼と小生のちがいを感じるときだ。
ただ研究生活では有効でも日常ではどうだろう。小生少々疑問がある。
総長の就任時のドタバタと退任後の騒動は今もって記憶に新しい。
大黒原教授は工学部出身初の総長であった。
長年軽んじられていた工学部からの選出なのだ。
大学において工学部の歴史は浅い。
学んでいるのは技術であって学問ではないと言われていたのである。
それが総長を出すまでになったのだ。喜んだの喜ばなかったの。
内輪で開かれた祝賀会は達成感と高揚感に満ちていた。
アイデア豊かな簿毛津教授は「祝 大黒原教授 総長就任」の大きな垂れ幕を用意した。
工学部の校舎の外に垂らそうというつもりだったのだ。
大黒原新総長はうれしそうに目を細めて見ていた。
小生、「甲子園出場みたい」ポツリともらしてしまった。
他意は無かったのに、新総長の表情はみるみる変わつてしまった。
しまったと気づいても、もう遅い。
「終了」のひと言で祝賀会はおひらきになってしまった。
不興をかってしまった小生に、簿毛津教授はつぶやいた。
「甲子園優勝いうたらよかったんや」
はたしてそういう問題だったのか。

-続く-
12:文一興 :

2017/01/15 (Sun) 20:35:24

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第3回 羽毛田教授はご傷心

 その日、簿毛津教授は小生の研究室にやって来た。
大版の広辞苑も楽にはいる大きな革の鞄を手にしていた。
彼のものだとすぐわかる年季の入ったものだ。
自分の研究室に行く前に来たのだろう。
わざわざ足を運んだのには何かわけがあるはずだ。
「羽毛田はん、このあいだはどなんしたん。すっぽかして。何ぞあったん」
 椅子に座っている小生を上から下までジロリと見て言った。
この前の会合のことだ。直截なもの言いはいつもの簿毛津教授であった。
しかし、この日はなんとなく様子がちがう。
わが同僚薄毛津君とは学部生のときから長い付き合いだ。
二人とも大黒原教授に師事して数十年。
気心の知れた仲なのだ。
小生の研究室に来れば、「一杯ちょうだいな」と言うや、
持参したマグカップにコーヒーを注いでいるはずなのだ。
それなのに少々憔悴ぎみなのだった。
何だろうと思いつつ下から上へと見上げてみた。
すると彼のおでこに大きな絆創膏が貼ってある。
「見つけたんかいな。目ざといな。こんなことどうでもええがな」
 どうすれば見つけずにすむというのだろう。
絆創膏には眉毛らしきものが描いてあった。無細工だ。
描かない方が良かったという判断は無かったのか。
「それよりわてらを取り巻く状況はけっこう厳しいもんがあってな、
そこんとこ羽毛田はん、わかってはるかな」
いきなりの謎かけ問答だ。自分を取り巻く状況なら心当たりがある。
しかし、「わてら」という言葉遣いにひっかかった。
「わてら」は複数である。
簿毛津教授とひとまとめではないか。小生かぶりを振った。
「そやろな。羽毛田はんは学究ひと筋やさかいにな」
 嫌味に聞こえた。コツッと鞄の留め金を外してカップを取り出した。
いや、蓋を閉めれば保温もできるオシャレな容器だ。今日はテイクアウトもするらしい。
「羽毛田はんの淹れたコーヒーはほんまに格別やな」
うれしかった。でも、ちょっと複雑。
「実はな、このあいだの集まりな、前の総長のお声がかりでな」
前の総長といえば大黒原教授である。
「現れたの」
「いや、伝言を預かっていてな、代読したんや」


続く
11:文一興 :

2017/01/11 (Wed) 18:44:57

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第2回
この歳になってこんなめにあうとは思いもよらなかった。
しかし、年の功であろうか、小生心の平衡を保つすべを知っている。
不測のできごとであっても直ぐさま平穏を取り戻せたのだ。
歳をとって良かった。
「わしのせいやない。あいつらが悪いんや」と叫んでみたのだ。
いささか大人げないが、これですっきりとした。
もちろん表現を変えるわざもある。
「非は当方ではなくて彼らにある」の方が馴染みがある。
しかしこれでは気分がもやっとしてちっとも晴れないのだ。
落ち度は彼女、彼にあるといっても彼らの知性を責めているわけではない。
今日の若者は視力が著しく落ちている。
勉学のせいもあろう。PC画面に目が疲れていることもある。
さらにはうっかり新聞に目を落としたままになったり、
テレビ映像が頭の中でこげついたりして、
視神経から脳まで傷めているのだ。
こんなことをしていたら世界を見る目が曇ってしまう。
見誤るのも無理からぬことである。
これも老化の現れではなかろうか。
若さゆえに自覚できないのだろう。
老人になるとそうはいかない。
なにしろ膝はガクガク目はショボショボ。
日々老人力がつく有様である。
耳が遠くなったり目が霞んだりするのは当たり前で、
「小生」を「ショウスイ=小水」と聞き誤ったり、
「学者」を「変者」と見誤ったりしてしまうのだ。
我々の国は世界史上例を見ない速さで超高齢社会に突入している。
人口が右肩上がりに伸びていた頃がなつかしい。
今では少子化は止まず、右肩上がりは老人比率だけ。
街を歩いても老嬢ばかり。若いと思ったら自分の妻くらいの年代だ。
もっと若女性はいないかと目をこすってみれば四十代。
女性に恨みはないが(こわくて)、女性の平均年齢は高くて人数も多い。
大学のキャンパスまで高齢化の波がおしよせてきたらと思うと空恐ろしくなる。

二度あることは三度あるとはいうけれど、全くもってそのとおりだった。
小生と面識のない学生ならば間違えるのも許せるが、事態はやや込み入っているようなのだ。
 同僚の簿毛津教授の研究室におもむいたときのことである。
彼の研究室は新しく建てられた実験棟にある。書斎のような別室までついている。
工学部だけで、それも至急の会合だというのだ。
行き慣れた場所であるが棟の入口で警備員に後ろから呼び止められてしまったのだ。
「ちょっと、そこの方、一般人はお断り」
他人に対してなんという不躾けな言いようか。こんな言い方をするのは新任の警備員に違いない。
虫の居所が悪かった小生は、
「そんなこと分かっとるよ」
 と一喝した。眉間にしわをよせて彼を見たのである。
「え、先生でしたか。これは大変失礼致しました」
 意外や彼は顔見知りでベテランの警備員だ。
彼の言いようはこうであった。
「いえ、御顔が変わられたので見間違えてしまいました」
好い方に変わったわけではなさそうだ。
お若いので間違いましたとか、私の勘違いでしたとか言って誤魔化してくれればよかったのに。
大学から追い出されるような顔になってしまったとは、情けない。
皺延ばしをした方がいいのか、プチ整形も考えるべきか。
頭にも増やしたいものがあるが、そちらの方が優先か。
しかしそんなことをしても寄る年波には勝てやしないのだ。
ちょっとでも考えた自分が不甲斐ない。全くもって困ったものだ。
それにしても身に覚えのないことを責められているようで居心地が悪い。
どう考えても腑に落ちない。
小生が変わったはずがない。ならば他人の方だ。
世間の人々が変わったのだろうと独りごちたのだった。
10:文一興 :

2016/12/31 (Sat) 23:44:36

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今回は「戯作」(=戯れの文)です。
反語、逆説、諧謔、皮肉に嫌味。
好むところを表現できるかどうかは、残念ながら別問題。
何回続けられるかも心もとない。


主人公は「工学部、羽毛田教授」
才乏しきを自覚してからは、世渡りが肝心と慣れない社交に精を出す。
題して「羽毛田教授随想録」




第1回「羽毛田教授はご傷心」

大きな声では言えないが、小生、実は学者である。
端くれとはいえ官立大学に勤めて三十猶予年。
学究生活にこれだけ勤しめば、それなりの風貌になっているはずである。
容姿容貌に言い及ぶなど学者らしくないと思われるかもしれないが、これにはわけがある。

春のキャンパスは実に心地良い。新緑の鈴懸の並木の下を歩くのは格別である。
小生、その日もうららかな木洩れ陽の下を歩いていた。
わが研究室は工学部の建物の一角にある。キャンパスにはそこここで語らう若人。
教官に会釈する学生諸君もいて、このような一場面を見ると心が和むではないか。
小生も声をかけられたのだ。学生の挨拶に時間を割くのはやぶさかではない。
今時の若者にしては丁寧な物言いであった。
さすが我が大学の学生だけのことはある。
加えて女学生。微笑みながら答えようとしたところ、
「失礼しました。教官かと思いました」
と言うや、女学生はくるりと背を向け遠ざかっていく。
逃げ去るように見えたのは気のせいであろうか。
しかし、なぜに謝るのであろうか。「かと思いました。」はないであろう。
ここは大学の構内である。
教官もしくは大学関係者以外にどんな職種の人間がいるというのであろうか。
立ち尽くしていると、
「どなんしたん、羽毛田はん。ボーッとして」
背後から刺さってくるような関西弁。簿毛津教授であった。
ショックが収まらないうちの不意打ちである。
「どなんしたん」と言われても答えようが無い。
いや、それがとでも口ごもれば、すかさず
「理由がわからへんのやったら、一緒に共同研究しよか」
とでも言いかねない。
小生右手を顔まであげて、「やぁ」と答えてさっさと自分の研究室に退散したのであった。

しかし、あの女学生、いったい何をどう誤解したのであろうか。
研究室にはいっても彼女の不可解な言動は頭の中に残ってしまった。
とんと納得がゆかぬ。となると学究の徒の性か、つい原因追究に向かってしまうのである。
教官の地位について数十年。多少の自負がある。
学者然とは言い難くとも「それなり」であって幼稚の先生に間違われることはない、はずである。
それなのに女学生のあの態度。
つらつら考えるに、もしかしたらと思いあたらぬことが無いこともない。
学者は言うまでもなく学究生活が第一だ。
ここだけのはなし、研究の意欲がわかなくなって随分と久しい。
ああ、小生の学者としての旬はとうに過ぎてしまっているのだ。
ゆすっても突っついても脳の反応はいっこうにかんばしくない。
アイデアの一つも思い浮かびそうにないのだ。
研究の意欲が無ければ学者の矜持も表情にでないであろう。
研究しているフリでもすれば見破れまいと緊張を失わずにすんだかもしれない。
それより今自分はとりあえず何を研究していたったけ。忘れてる?
とすると、小生呆け始めているのかもしれない。
たしかに最近もの忘れが多くなったような気がしないでもない。
思えば小生の才でよくこれまでやってこれたものである。
ただ熱意だけがたよりであった。実験の順備は調った。手ぬかりは無い。
さあ取りかかるぞと意欲のあった日々が懐かしい。
その頃はコーヒーミルで豆を挽くのが小生の日課であった。
カリゴリカリゴリと豆を挽くのが儀式であった。
広がる香りに包まれてアイデアがひらめいたり、
意識が集中してパァーと解決の展望がひらけたりしたこともあったのだ。
ところが今はどうだ。同僚には羽毛田コーヒー店と陰口を言われる体たらくである。

この日も研究室に入ると自慢の珈琲メーカーにスイッチオンである。
今日も一日が始まったかと椅子に身を沈める。
研究室を満たし始めるエスプレッソの香りがこうばしい。
この香りにくつろぎながらも気になるのは先ほど出来事である。
あの女学生、大学の教官にどのようなイメージをもっているのであろうか。
昔ながらの「目元すずやかで理性のまなざし」
「額がはなつ知性の紳士」などであったら彼女は幸せにはなれないであろう。
気の毒なことである。
教官たちも頭をかいてフケを落としながら苦笑するであろう。
しかし、気になるのは昨今の風潮である。あの女学生だけではないが、
「失礼しました」とか「申し訳ありません」とか、
とりあえず謝っておけば済ませられるだろう、と考える傾向はどうも困ったものである。
口先の謝罪で、傷つけられた者の怒りがおさまったり、
恨みからまぬがれたりするとでも考えているのであろうか。
誰とは言わないが根に持つ者もいるのである。
安易に考えすぎている。
嘆かわしいことである。
やはり世に警鐘を嗚らすべきであろう。

淹れあがった珈琲を水曜日のカップに注ぐ。
昨日は火曜のカップだった。
研究室のドアをノックする音が聞こえてきた。
まだ小生の憩いの時間である。
「Do not disturb」の札が目に入らなかったのか。
誰であろうか、度胸のある者がいるものだ。
顔を見てやろうとドアを開けた。男子学生であった。
小生の顔を見るなり大声で、
「申し訳ありません。羽毛田先生と勘違いしました」
深々と頭を下げたままススーッと後ずさりして去っていった。
器用なことができるものである。不器用なのは小生であった。
珈琲カップが小生の許可無く床に落ちてしまっていた。
廊下に響く音にハッとして、
「いったいなんなんだ。○△□野郎!」
思わず口をついてはしたない言葉が出てしまった。
○△□の部分は自己嫌悪になるので省略する。
やや取り乱してはいたが、耐えて床にへたりこまなかったのは良しとしなければならないだろう。
9:文一興 :

2016/11/13 (Sun) 16:20:21

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題名:「躁乱の晋助」

口演;文笑亭 一興

例の晋助。カマ屋のノダ公。ウラメ屋のカン坊。ムラの人。旅の人。

………………………………………………………………………………………………………………

このごろ「ふし目」とか「かわり目」といったことばが、花粉症にかかったせいでしょうか、

どうにも気になりよります。春さきになりますと顔のまんなかに栓のこわれた蛇口が二つでき

たようで、鼻水が出っぱなし。琵琶湖とつながってしもうたみたいで、ほんまに難儀しよります。

花粉は目に見えんさかいよけられません。見えれば花粉がそっちから来たぞって一目散に逃げ

ますわ。まあ、それでも季節が過ぎてしまえばもとに戻るよってに花粉は堪忍したりましょ。

見えんで始末に悪いのは、例のあれですわ。こっちの方は年中無休でたれ流し。季節に関係ない

よってに、よけいに厄介ですわ。ほんに迷惑もんというやつは姿を隠してやってきよるようです。

変わり目は人の世も同じようですわ。最近ちょいと頭のネジの緩んだ奴らが目立ちよります。

いったいこんな輩どこにいたんやろと思えるような間抜けもんで、ネジ山もつぶれてしもうて

使いもんにならん奴らです。こういった連中はどういうわけか目立ちたがり屋です。鳴り物入りで

騒々しく人目を引いておのれのアホを晒し、わしらをあきれさせよります。これも大きな時節

の変わり目ならではのことかもしれません。

………………………………………………………………………………………………………………


「おい、ノダ公。」

「なんや、カン坊。」

「あそこにおるんは晋助やないか。」

「どこや。」

「ほれ、あそこで座り込んどる奴や。」

「あれほんまや、例の晋助や。」

「あんなとこで、なにしてんのやろ。」

「最近ひま持て余してんのとちゃうか。」

「そやなぁ、『オラが一番』やめよったから忙しゅうはないやろな。」

「確かに自分からおりよったけど、なんでやろ。」

『忙しゅうないゆうても、大人しゅうしておるか、晋助のことや、なんぞたくらんどんのとちゃうか。」

「なんの、たくらむ頭があればこそや、そないなもんが晋助にあるかいな。」

「あってもろくなことあらへんで。」

「座りこんでるとこみると腹いたでもおこして、そやな、ノグソでもしてんのとちゃうか。」

「なにアホなことを。ここは往来のど真ん中やで。」

「冗談やがな。しかしな、あいつは晋助やで。」

「そやな、晋助やもんな。人目を引きゃなんでもするわな。


「よし、久しぶりやさかい、声かけとこか。」

「ちょっと待てや、何が『よし』や。」

「そやかてわしら暇やないか。」

「そや暇や。」

「そやさかい晋助に声かけて暇潰しや。」

「なに怖いこと考えてんのや。例の晋助やで、障らぬ神に崇りなしや。早いとこずらかろ。」

「わしら、暇やろ。」

「しつこいなぁ。そ、わしらは暇や。」

「おまけに落ち目や。」

「傷口に塩すりこむようなことを。」

「犬も歩けば棒に当たるゆうやないか。」

「わしらは犬か。」


「おい、そこでごちゃごちゃゆうとんのはノダ公とカン坊やないか。」

「あっ、見っかってもうた。」

「こっちやこっち。こいや。ひさしぶりのおさななじみやないか。」

「大声で呼びよる。どなんする。今さら逃げるわけにいかんで。」

「なに心配してんのや。厄介ごとがこわぁて晋助とつきあえるかいな。」

「腹くくったんかいな。変わり身が早いな、おまえも。」

「それがわいの得意技や。」

「忘れたらあかんで、晋助は誉めことばが大好物や。尻尾ふって喜びよるで。」

「わかった。あんじょうおだてとけばええんやな。」

「気ぃつけなあかんで、晋助はけなされるのが大嫌いなんや。いきなりかみついてくるで。」

「わっ、それいややわ。」


「ヨォ、晋助ニイ、ひさしぶり。」

「ふたりとも、ちょうどええとこにきた。」

「なにしてんねん、往来のまん中で。」

「ようきいてくれた。めいよかいふくのためにな、ケンコウをアピールしとんのや。」

「で、何してんのや。」

「おぉ、これみてくれや。」

「こいつ、ほんまにノグソ(ババ)しとるで!」

「どや、ふたりとも。かんきわまってこえがでんのかいな。」

「どなん言ってほめよ。」

「おお、り、りっぱなクソやな、晋助ニイ。」

「ぜっ、絶好調やな、晋助ニイ。お茶目やわ。」

「カン坊、ノダ公、わしうれしいわ。ふたりともようわかってくれとる。わしのしじしゃや
 わ。しっかりあくしゅしよ。しもた、てあらうのわすれとった。」

「晋助ニィ、やったな、感動もんや、逆上がり以来の快挙や。とうとう尻ふきの奥義もきわめたんや。」

「どこ、こすりつけたんやろ。」

「どこにでもしりあらいべんじょがあるわけないからな。しりぐらいふけんとな。」

「ホントや、晋助ニィの言うことにはいつも目からウロコがおちるわ。な、カン坊。」

「わしにふるな。」

「どや、これみてみい、もうすっかりようなっとるやろ。もうハラくだしのさんだいめなんていわせへんぞ。」

「なるほど、さすが晋助ニィや。健康アピールにノグソとはえろう卓抜なパフォーマンスやな。」

「なんやと、だれがエロでタコでバツでアホーやと。」

「ち、ちがうがな。そんなことゆうてへん。だれ一人考えつかんようなお茶目なアイデアやって誉めてんのや。」

「そうか、それならゆるしたる。わし、ほめことばすきやさかい、おぼえといてな。」

「それにしても晋助ニィ、往来でノグソとは、ゴ、豪快やな。」

「めいよかいふくのためなら、これしきのことなんでもないわい。」

「見上げたもんや。」

「ほんに大したクソやな。」

「これで健康やっちゅうことはようわかったわ。腹は心配ない。」

「腹はな、腹は。そやけど他のところが心配やないか。」

「おおきに。しんは°いしてくれんのは、おまえらだけや。おさななじみはありがたいな。しかしこ
 こまでになるには、ほんにくろうしたで。」

「苦労のあとが見えとる。これなら一目で晋助ニィやとわかるわ。」

「そうか、うれしいことゆうてくれるやないか。」

「三代目って書いてあるで。」

「そやろ、ばっちりアピールや、もうこれでハラがゆるいなんていわせへん。」

「ところでな、カン坊、めいよってなんやろ?」

「知らんのかいな、ノダ公。『目イーヨ』って目薬やがな。」

「けったいなもんアピールしとんな。いつから薬売りになったんかいな。」

「おまらふたりでなにボケたこというてんのや。おこるで、メンツのことやがな。メ・ン・ツ。」

「メンツのことかいな、それならわかるで、なカン坊。」

「風下でちょっと匂いが。クラッときて聞きちがいしてもうたんや。」

「臭いもバッチリや。とおぃところからでも晋助ニィのとひと匂でわかる。」

「ほんに嗅いだことないような匂いやわ。くいもんが違う。これぞ晋助ってもんが出てるわ。」

「やっぱりな、ひめたとうしがにおうてくるやろ。」

「ムラの歴史で初めての快挙や、怪挙。」

「やっぱりゆるいハラはあかんのや。わしをわらうたもんにはしっかりとおもいしらせたる。」

「ところでなカン坊、健康とノグソは結びつくのはわかるで。なんでメンツとノグソがくっつくんやろ。
 難しゅうてわしにはわからへん。」

「そやろな、お前もたまには自分の頭でよう考えてみい。」

「考えた。」

「2秒もたってないやないか。」

「そやけどなわいは人の意見を自分のもんみたいにゆうのは得意やねん。」

「そんなもん自慢になるか。仕方ないの、晋助ニィ教えたってや。」

「カン坊にノダ公、こゆときこそいしんてんしんやないか。わいにみなまでいわせるな。

 わしのおくゆかしさがだいなしやないか。」

「そこをなんとかたのむわ。」

「な、わしらさんにん、ムラできわめたなかまやないか。もいっぺんかえりざくためや、
 きまっとるやないか。」

「あかん、カン坊、晋助のゆうてることようわからへん。」

「なさけないやっちゃなあ。」

「キィ―わめいたなんて、わい、わめいてたか」

「うめくほうやろな」

「かえりザクッてなんのことや。」

「わしもおくゆかしい方やから以心伝心や。」

「勘弁したってなカン坊。晋助ひら仮名ばっかしでしゃべってんのやで。わかりにくうてかなわんで。」

「今頃気ィついたんかいな、鈍いやっちゃな。察してやりい。読めへんのや。」

「なにカン坊、声が小さうてき聞こえへん。」

「耳打ちしたる、耳かせや。」

「な、な、なんやそうだったんか。」

「アホ、大きな声だすんやない。漢字は禁句や。」

「そない大切なこと教えといたりィな。これこそ障らぬ神になんとかや。人が悪いでカン坊も。」

「そうか、ムラの常識やと思とった。」

「そないなもんが常識か。秘密とちゃうんか。」

「秘密で常識や。」

「こみいっとるわ。考えおよばんで。」

「なんやふたりでコソコソと。そいで、いしんてんしんしたんかいな。」

「わかったで、晋助ニィ、あ・うんの呼吸やがな。任せとき、協力するさかい、何でもゆうてんか。
 ニィの名誉はわいの名誉や。」

「ノダ公、また調子こいとるで。何をゆうてるのかわかってへんな。」

「どうしやないか、ノダ公。」

「出た、同志認定や。これで幼なじみから格あげや。」

「おまえもノグソせいや。」

「えェ!」

「めいよかいふくのためにはノグソがいちばんや。」

「ど、どゆことですか。」

「わしといっしょにノグソしよ。」

「連れクソ!何がどうなってんねん。」

「ちょっと耳かし。晋助はな、世の中のもんをな、鵜飼の鵜、支持者、幼なじみ、同志、それに
 イチャモンつける奴に分けとんのや。」

「そんなこまこう分けてんのか。甘かったわ。」

「たった今ノダ公は一番上のランクの同志になったんや。おめでと。」

「同志って、どうしよう。」

「しょもないしゃれゆうてる場合やあらへんで。同志になったんやさかい晋助と同じことせんとあかんのや。」

「どないしょ、取り消すわ。」

「なんやと!」

「ごめん、取り消すの取り消すわ。」

「なさけないやっちゃ、ノダ公、いつも男に二言はないゆうてたやないか。」

「それは方便や。」

「どっちが方便や。男か二言はないか。あ、おい泣くなノダ公。」

「うるさいわ。ノグソのノダ公なんて呼ばれとうないわい。」

「わしのしとることにイチャモンつけるきか。」

「ごめん、かんにんしたって、悪気はあらへんねん。」

「ノダ公、やっぱりおとこはどりょうや。ここぞとゆうとこできりょうのデカイところをみせたるんや。」

「晋助ニィのゆうことはもっともや。な、ノダ公。気ばりぃや。」

「そや、ケツのアナのちさいやつやっていわれつづけたんではメンツがたたん。ハラきめたらんかい。」

「そのとおりや。あれノダ公、なに顔赤うしてんのや。」

「べ、別になんでもあらへんわい。」

「わかったで、ノダ公。おまえゆるいんやろ。」

「な、なにをゆうねん。ごむたいな。」

「しっとるで。ゆるいのとおおきいのは、ちがうで。ええことおしえたる。」

「なんや、なんや。ええことってなんや。」

「あ~あ、ええことと聞いたらすぐ顔色かえよる。ほんまにノダ公現金なやっちゃなあ。」

「やっぱり喰いもんか。」

「くいもんなんてゆうのは、しろうとのかんがえそうなことや。」

「胃腸の薬やろ。」

「それもしろうとかんがえや。しょうかにええもんはなんやとおもう?」

「焦らさんで教えたりぃな。わたくしノダ公はどうしでおます。」

「しゅしょうなこころがけや。しじしゃのさしいれ、これや。これをことわったらアカン。はらごなしは
 じんじゃめぐりや。それからたのまれごと。しじしゃからちょっとミギむいていわれたらミギむいてやる。」

「わいあっち向いてホイは得意やで。」

「ノダ公は気楽やな。」

「そいからうしろだてをもつことや。しょうしょうのモレはあんじょうしょりしてくれる。もりたてて
 もくれる。たのもしいで。わいももすこしはようきづいとったらハラくだしたって「オラが一番」をお
 ちることなかったんや。」

「ええ!返り咲くっちゅうのは「オラが一番」のことかいな。」

「なにびっくりしてんのや、ふたりとも。それいがいなにがあるっちゅうねん。」

「スゴイ!」

「おおきいこえでゆうなや、てれるやないか。」

「晋助ニィは、懲りてなへんや。」

「なににこりるんや。」

「あんだけ悪口言われよったのに。」

「え?そうだったんかいな。わしはエールやとおもうとったで。」

「腹とちごうて度胸のええ耳してるわ。」

「なんや、おまえら、やるきのうなってしもたんか。にんせいななころびななおきやないか。」

「確かにそや。ニィが正しい。計算あっとるわ。」

「目からウロコがズリ落ちたわ。」

「いやほんに見上げたもんや晋助ニィは、歳とるごとに凡人をこえていきよる。」

「そいつは上の方にか、下の方にか。」

「晋助はすごいのう。よし、カン坊、わしらも見習おうや。」

「ノダ公、見習うって、わしらノグソすんのかいな。」

「そやカン坊、ふたりそろって汚名返上や。」

「わしには関係あらへん。汚名なんてその内みんな忘れよるわ。」

「甘いで、それは。」

「なんやノダ公、ズボンの中に顔しもうとったんか。」

「顔やない、わいの尻や。」

「そんならお前の顔は尻か。」

「アホいうな。わいはやるで。」

「ノダ公、そのこころいきや。いっしょにめいよかいふくや。」

「わい励まされるとやる男やで。」

「おだてられて登るのとちがうんか。」




「晋助のゆうとおりや、わいにもできるやないか。な、やっぱり心いきや。あ!こら、カン坊、わいの
 ノグソに名刺置くんやない。卑怯な事すんな。」




こうして二人はムラの目立つところにノグソをしてまわりよりました。「この道を力強く、前へ」と一

歩ふみだすとノグソをふんでしまうありさまで、「美しいムラをとりもどす」っちゅうのはクソまみれ

にすることかい。コラ、クソの後始末せんかい。「おまえが一番」クソや!と罵倒するものもいないで

はありませんでしたが、不思議と少数でありました。ノグソでまず鼻がやられてしまったんでしょうな。

鼻とゆうのは困ったもんで慣れてしまうと鶏舎や豚舎の匂いでも平気になってしまうぐらいたよりない。

鼻がバカになった後は間違いなく頭のほうに回ります。それが証拠に「匂いくらいでは死にゃせん」とか、

「クソがこわくてめしがくえるか」とか、「わしらは歩くクソ袋や」とか、やけのやんぱち言いだす

もんがふえてきよりました。何をよろこぶのかわけのわからんもんも出てきて、やつらのノグソを、こと

もあろうに下肥だ、有機肥料だともてはやしよります。中には柏手うって拝むやからもいて。こんなもん

がハエやらうじ虫のようにぎょうさんわいて、ほんに困った時世になりよりました。




「このムラはずいぶん匂いますな。匂うというよりくさい。」

「これ、旅の人、何を失礼なことを大きい声で。」

「こりゃ失礼しました。ムラのお方ですか。」

「ええ、今里帰り中ですが。」

「そうですか。お尋ねしますが、なんでこんなにくさっ、いやカオルんでしょうか。」

「それがムラには昔から娯楽がありませんでのう。酔狂なこと考えついたもんがおって『ムラで一番』
 を競おうやゆうて始めよりました。」

「なるほど有りそうですな。」

「初めはムラで「一番力もち」「働き者」「頑固者」「大食い」とか他愛のないもんでした。そのうち
「まじめ」とか「できる」とか窮屈なもんになって。」

「作文の課題みたいでっな。」

「それで見向きもされんようになりました。も一回盛り上げんといかんいうことになりまして、それなら
 くだけたもんがええやろゆうて、『オラが一番』になったしだいです。」

「オラが一番何ですか。」

「オラが一番男前ではずいぶんと盛り上がりました。ぶ男が堂々と胸はって仰山でてきて、ムラはぶ男
 だらけだったゆうて大笑いしたのなんの。それはもう楽しい思い出ですわ。」

「おたくさんも出やはったん。」

「これ、真面目に聞きなはれ。くだけたもんゆうのは洒落ですがな。ところが真に受けるもんが次々に
 出てきよりまして、『よし、オレが一番エライ』「ツヨイ」「ズルイ」を競いあいしよりました。」

「なんですか、そんなもんに自分からすすんできそいあうもんがいますか。」

「それが、何ぞ悪いもんにでも中ったんか、ゾロゾロとでてきよりました。」

「それでどなんしやはったん。中止ですか。」

「止めときゃよかったんですが、これは若気のあやまりじゃゆうて大目にみてしまいよりました。
 時機を逃してしもうて、その後は「オラが一番恥じ知らず。」「オラが一番恩知らず」となり
 目を覆い耳をふさぐありありさまですわ。今ではムラの鼻つまみもんで三バカトリオ言われ
 とりますのが、」

「匂うんですか。」

「オラが一番ドアホ、オラが一番クズ、オラが一番カスを競う有り様ですわ。わたしのムラがこんな
 体たらくになるとはおもいもよりませなんだわ。まっこと情けないことになりよりました。」

「あっ、それでここがドアホのミックスムラ。」
 
 -了-



久方ぶりですが、今回は寄席にご招待です。
上方落語の真似ですが、言葉遣いなど至らぬ点も
笑ってくださればありがたい。

題名の「躁乱の晋助」は「胴乱の幸助」からお借りしました。
「躁乱」という漢字熟語は造語です。
「ドアホのミックス」は浜教授の命名だったかと思います。

人物については現実の人物とは一切関係ないかもしれません。
「これ僕のこと書いとる」
などと言って名乗り出てくれたら、作者冥利につきます。
そうすれば「飛んで火に入る夏の虫」で、一番の大笑いです。
8:MEN :

2015/07/29 (Wed) 23:38:18

host:*.spmode.ne.jp
 よろしくお願いいたします。
7:飯山さんこんにち :

2015/07/10 (Fri) 16:38:05

host:*.kualnet.jp
飯山さんこんにちは。
6:文一興 :

2015/04/19 (Sun) 19:51:29

host:*.e-mobile.ne.jp
先月イスラエルのネタニヤフがアメリカ議会で演説をしましたが、
共和党とネオコンが幅をきかせる議会の招きでした。
議員60名とオバマ大統領は欠席。
反対に拍手で迎えた議員もいて、当然 イスラエルに選挙などでお世話になっている方々でしょう。
今のアメリカの異状がわかります。
最早「アメリカ」はありません。
ある記事によると、国家の中に「国家」があってそれが暴走しているとのことです。
テレビドラマの「24 -TWENTY FOUR 」の後半のシーズンさながらでしょうか、民間軍事会社が出てきたりと。
さて、アペ閣下も大統領の招きでなくて、
議会のお招きだそうで、
ネタニヤフと御同慶。
両者の共通点は、戦争屋の手先で オバマに毛嫌いされている点。
違うのは、
ネタニヤフは飼い犬に会いにいってイランを攻撃しろと脅しあげましたが、
日本は飼い犬がご主人のご機嫌をうかがいにいくということでしょうか。
手土産はTPPに戦争法案などでしょう。
この違い、アペ閣下にはわからないでしょう。
犯罪性を日に日に増す政権と一体化する新聞・テレビはマイナス点は報道しないはずです。

アペ閣下の死民党の「日本を取り戻す」が戦前の体制だとすると、
昔から日本は芯から隷属国家だったということです。
それとも「アメリカの手」に「日本を取り戻す」が目標だったのでしょうか。
これならば飼い主がよくやったとほめてくれるでしょう。
彼らが「正気を取り戻す」ことは期待はできません。
それどころか破局へ一直線でしょう。
狂いを矯正しようとすると既得権力勢が、
検察や新聞・テレビを使って酷い個人攻撃を連日行ったのは歴史に残るでしょう。




✳︎
横山ノック、フック、 パンチの漫画トリオという漫才師達がいました。
パンチは片岡竜之介で、彼だけ健在です。ノック氏は大阪府知事を務め、晩年はちょっとつまづきました。


パンパカパーン、パンパンパン、パンパカパーン、今週のハイライト。
ノック:検察改革が進んでます。
パンチ:それって今週ですか。
ノック:僕の中ではここ十年、ずっと今週です。

フック:検察も最近は仕事が早くなりました。
ノック:スピーディーということやね。
パンチ:慎重やないんや。
フック:取調室に入ったらもう調書が出来ていた。
ノック:そりゃ手際がよろしいな。僕らも見習わなあきません。
パンチ:ノックさん、府知事はいらんこと、せんほうがよろしいで。
ノック:みんな忘れてはんのに、寝た子をおこしなはんな。
パンチ:おかしいですね。鬼より怖い検察なのに、なんで解放されましたん。
フック:同姓同名でした。
ノック:ようあることです、お役所仕事では。
パンチ:おそまつやな。
フック:さすがに別人では犯人にしようがないようでした。



✳︎
今回は山本リンダの「どうにもとまらない」の替え歌です。
作詞は阿久悠    、作曲は都倉俊一のコンビです。
You Tube で若き山本リンダの熱唱ぶりをごらんになってください。
お三方に感謝と敬意を。


むかしのおいらじゃないんだぜ
おなかはばっちり大丈夫
まわりにちやほやおだてられ
生きていくのが楽しいぜ
今度は舌先なめらかで
アメリカ議会で演説だ
何でも言いたいしほうだい
あつい演説ぶちかます

※ああ鴨になる、ああネギそえて
ボクのすることアメリカしだいなの
ああ自分だけ ああ身内だけ
もうどうにもとまらない※

議会でマッチョのまねをして
威勢のいいとこ ふりをして
しっかり後でわび入れて
それは今度もいいじゃない
はじけた砲弾とびかって
戦争気分が燃えてくる
平成終末カーニバル
はやく我が軍指揮したい

※くりかえし




5:文一興 :

2015/04/11 (Sat) 14:14:32

host:*.e-mobile.ne.jp
今回の替え歌は
下痢ゾウといわれ、
さげすまされ、
汚物と一緒に下水に流されたかと思われた
あべしんぞうが
ネトウヨや狂狗・ウ、カルトの熱烈歓迎を受けて
下痢ゾウcome back
してしまった頃のものです。
オスプレイやミサイルのパックスリーを購入して
アメリカの戦争道具屋さんに貢献していました。
ケイマンに口座でもお持ちなのでしょうか。
かつて中曽根康弘の政治を「暴政」だと藤原肇氏はおっしゃった。
あべしんぞうのは「凶政」「狂政」でしょうか。

その後はもうアベチャ閣下はやりたいほうだい。
もうむちゃくちゃでごじゃりますがな。(花菱アチャコ)
てなもんや。 (=「というようなものではないか」)
そんな悠長なことゆうとるばあいやありまへんで。
しっかりしろ、日本人!
しっかりしよう、日本人!


アベチャ閣下の賛歌(おもちゃのチャチャチャの替え歌で)

おなかが チャチャチャ
くだして チャチャチャ
チャチャチャ
あべちゃが チャチャチャ

そらにきらきら オスプレイ
国民スヤスヤ ねむれない
あべちゃは 病院 とびだして
はしゃぐ あべちゃの チャチャチャ
おつむが チャチャチャ
おなかが チャチャチャ
チャチャチャ
あべちゃが チャチャチャ

そら来たミサイル 待ってたホイ
今がチャンスだ 国防軍
刷って買うぞと パックスリー(PAC3)
壊れたあべちゃが イッチャチャ
おつむが チャチャチャ
手おくれ チャチャチャ
チャチャチャ
あべちゃの チャチャチャ

あべちゃの おつむは トテチテター
あべちゃの へいたい ネトウヨで
ラッパならして 進軍だ
花の ドレスで チャチャチャ
おなかが チャチャチャ
おつむは アッチャチャ
チャチャチャ
あべちゃの チャチャチャ

あたまに キラキラ おほしさま
はやく 正気を 取り戻せ
あべちゃは かえる 病院に
やっぱり 手遅れ アッチャチャ
おつむが チャチャチャ
おなかが チャチャチャ
チャチャチャ
あべちゃが チャチャチャ


福島は完全にコントロールできて、この先どうなるか分かりません
ポクは完全に安全ですからどうなってもしりません。

4:文一興 :

2015/03/31 (Tue) 18:48:47

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情報の汚染はずいぶん昔からあって、大本営発表をそのまま垂れ流していた新聞社は典型です。今それを生で見ることができるシアワセをかみしめています。記者さんたちにカンシャして歌いましょう。
たちの悪い新聞記者は、「羽織ゴロ」とか「羽織やくざ」と呼ばれていたそうですが、復活ですね。

「汽車ぽっぽ」のメロディーでどうぞ。

記者、記者、ゴロ、ゴロ
ゴロ、ゴロ、ゴッロゴロ
いちゃもんつけて
ゴロ、ゴロ、ゴロロ
俺たちゃ ペン持つ ゴロツキさ
狙った獲物は逃さない
強請れ むしれ 脅せ
ゴミウリだ ニッテレだ ティービーエス


記者、記者、ゴロ、ゴロ
ゴロ、ゴロ、ゴッロゴロ
うそ記事かいて
ゴロ、ゴロ、ゴロロ
俺たちゃ ペン持つ 政治ゴロ
貼るぞ ネガキャン 目くらませ
強請れ 騙せ 脅せ
テレアサだ バイニチだ イヌエッチケー


記者、記者、ゴロ、ゴロ
ゴロ、ゴロ、ゴッロゴロ
やらせ記事かいて
ゴロ、ゴロ、ゴロロ
無い物ねだりだ 品格は
俺たちゃ 権力 犬パシリ
強請れ 騙せ 脅せ
ごほうびは 機密費だ うれしいな


記者、記者、ガッポ、ガッポ
ガッポ、ガッポ、ガッポッポ
機密費貰って
ガッポ、ガッポ、ガッポッポ
任せろガセネタやらせ記事
スピンだ かぶせだ ねつ造だ
強請れ 騙せ 脅せ
ごほうびは 機密費だ うれしいな


以上「官制記者クラブ」のクラブ歌でした。
3:文一興 :

2015/03/27 (Fri) 17:16:04

host:*.e-mobile.ne.jp
新聞もすっかり汚染されています。汚染源は官邸です。
「平時は左翼、戦時は広報誌」と部数が減少するなか、政府公報費をしっかりせしめようというわけでしょうか。
社長は官邸の接待受けて飼い犬です。


今回は「線路は続くよ どこまでも」です。
アメリカ民謡となっています。

東京五輪招致のさい、
「フクシマについてお案じの向きには、私から保証をいたします。状況は統御されています。
東京には、いかなる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく、今後とも及ぼすことはありません。」
とのたまった、五輪招致詐欺団のA級汚染犯のアベ閣下のために
不愉快な現実を目の当たりにして、不愉快なかえ歌で。


汚染はつづくよ どこまでも
野をこえ 山こえ 海こえて
はるかな国まで  Fukushimaの
なかよくひろげよう 汚染の輪

汚染をひろげよう だれにでも
食べておうえん まきぞえだ
みんなと同じで 安心ね
なかよくつながろう 汚染の輪

汚染はつづくよ いつまでも
嘘つき首相が つづくかぎり
汚染にあわせて ぼくたちも
ひさんな被曝を つづけてく

廃炉はつづくよ いつまでも
税金つぎこんで 利権こうじ
東電たすけて 焼け太り
汚染でつながろう 利権の輪

廃炉はつづくよ はてしなく
臭いものにも ふたできず
知らぬふりする 日本人
世界にきらわれ 鼻つまみ

炉心はさけぶよ メルトスルー
どこに行ったのか  核燃料
とぼけつづけて 無責任
地球をけがしてる 日本人

2:文一興 :

2015/03/20 (Fri) 00:01:20

host:*.dion.ne.jp
「日本国憲法 序文」を読んだことのない人が圧倒的に多いのはわかっていますが、敢えて挑んでみました。あまり笑えなくて、苦笑い。苦笑いを共有してくれる人がいればちょと嬉しい。

今度は替え歌です。お馴染みの
【鉄道唱歌】
「 汽笛一声(いっせい)新橋を
はや我(わが)汽車は離れたり
愛宕(あたご)の山に入りのこる
月を旅路の友として」
の替え歌です。
一緒に御笑歌くださればと思います。


奇声一発 ニッキョウソ
壊れた首相が 野次ってる
日本国会 やまい中
つける薬は ありません

国会答弁 宿題を
ルビ付き作文 音読中
小学漢字も 読めません
母校も漢字で 書けません

教育看板 しもむらは
金くれ講演 精を出す
これが道徳 見本だぜ
内閣全員 金まみれ

オバマは会わない ネタニヤフ
マケイン、ネオコン、テロリスト
飛んで火にいる あべしんぞう
人質取られて だまされた

どこのどアホだ 喜んで
人道支援で 金を出す
舌出し喜ぶ イスラエル
これで戦費が 手に入る

金をだして バカにされ
得意絶頂 間抜けづら
これは利権か 還元で
ふところ うるおす財閥か

IS、傭兵、テロリスト
トヨタに乗って 満足げ
うちでの小槌だ 日本は
間抜けがトップで ひと安心

トップが狂った 日本は
お先真っ暗 阿呆船
いつか来た道 狂い道
転覆必至の 地獄往き

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